あかりの作曲・mix日記

作曲・mix、制作中に気づいた大切なコト。制作裏話。

コンプレッサー・圧縮って何?っていう概念のお話。

◆コンプレッサーって何?

コンプレッサーというエフェクトをどのように認識していますか?

「音が大きいところを小さくする」

「音量を上げる装置」

どちらも半分正解です。

 

正確には「音の大きいところと小さいところの差を少なくする」エフェクトです。

一緒に整理してみましょう。

 

◆コンプレッションの方法

さて、ここに音量大きいのと小さいのを用意しました。

これをコンプレッションしていきます。

 

大きい音を小さい音に合わせました。

 

もう一つの方法。

 

小さい音を大きい音に合わせました。

 

 

2つとも「音の大きいところと小さいところの差を少なくする」ことで全体の音量感を均一にしました。これが圧縮です。この時、全体の音量が大きいか小さいかは気にしません。音量"差"が大きいか小さいかについて言及しています。

 

注目すべきは音量"差"なのです。

 

ちなみに音量差の事をダイナミックレンジと言ったりします。

ダイナミックレンジが大きい→音量差が大きい

ダイナミックレンジが小さい→音量差が小さい

という意味なので、「コンプレッションすることで、ダイナミックレンジを小さくした」と言い換える事ができます。

 

◆ダウンワード、アップワード

先程の例の通り、圧縮方法は2つあります。

 

1.音が大きいところを小さくして差を少なくする=下方圧縮=ダウンワードコンプレッション

大きい音を小さい音に合わせるので、全体の音量は小さくなり平均化されます。

 

2.音が小さいところを大きくして差を少なくする=上方圧縮=アップワードコンプレッション

小さい音を大きい音に合わせるので、全体の音量が大きなり平均化されます。

 

と言います。

一般的に音楽で「コンプ~」と言われてるのは、ダウンワードコンプレッションです。アップワードコンプレッションできるプラグインエフェクトもたくさんあります。(WAVES MV2、TDRNova等)

 

 

◆何の為にコンプするのか?

特にボーカルは音量の大きいところ小さいところの差が激しく、コンプしないと小さいところが聞きにくい、大きいところはうるさいとなりがちです。楽曲全体として一定した音量で聞けるようにコンプします。

 

ダイナミックレンジは大きいとメリハリがついて迫力がありますが、レンジが大きすぎると返って聞きにくいこともあるので、ある程度ダイナミックレンジを小さくまとめることで、全体を聞きやすくするのです。それと、音量がある程度一定の方が演奏が上手に聞こえます。

 

◆音量は?コンプで音量上げれるよね?

ダウンワードコンプレッションによって音量を上げているのは二段階の処理を行っています。

1.ダウンワードコンプレッションによって全体を小さく圧縮してまとめる。

2.小さく圧縮された音源全体の音量を上げる。

この二段階を経て全体の音量は上がっています。このときの2.の処理を「メイクアップゲイン」等と言ったりします。

 

また、アップワードコンプレッションによって、小さいところがしっかり聞こえるようになれば、全体の音量感はあがります。

 

 

◆おわり

以上、コンプの概念について考えてみました。今回はこれでおわり。

 

コンプレッサーには音量の大きさを揃える以外にも、距離感を操作したりもできます。

興味あったらこっちも見てみてね~!

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