◆サチュレーションって何?
mix初めてまもなく、私もこの言葉に出会いました。サチュレーションって何?音が良くなるってどういう事?音が変化するの?
今回はサチュレーションについて一緒に考えてみたいと思います。
◆例えばピアノでラを弾いてみる
わかりやすくするために、簡単な物に例えてみましょう。
ピアノで"ラ"の音を単音で弾いてみます。440Hzです。次にその2倍の880Hzを弾きます。オクターブ上の"ラ"ですね。次はその3倍を弾きます。1320Hzは"ミ"です。その次は4倍のえーと、1760Hzは2オクターブ上の"ラ"です。
どうでしょうか。単音の"ラ"を弾いた時より、4つの音を同時に弾いたほうが、豪華でかっこよく聞こえると思います。極端に言えばそんなことが超々細かい単位で起きていると思っていいと思います。(イメージのお話です。)
この場合の基音は440Hz。それに2倍・3倍・4倍の音を足しました。この"倍音を足す"ことで音は強くかっこよくなるのです。
今回は4倍まで足してみましたが、実際に足される倍音は機材によって変わります。
◆どうやって使うの?
試しにボーカルに入れてみましょう。
効果が微妙でわかりにくいですか?
そうですね。効果がわからないようにそっと足すのがポイントです。あからさまに効果がわかるようにすると、それは"ドライブ"という効果に変わってきます。
ちょっと変わったかな?というのがわかったあなたは耳がとても良いと思います。耳大事にしてくださいね。
◆ボーカルmixでのサチュレーションの考え方
既に作成されているカラオケ音源にボーカルだけあとから足す場合を考えます。
カラオケ音源にサチュレーションが入っていた場合、サチュレーションを入れてないボーカルを足すと不自然に感じることがあります。いわゆる"馴染んでない"という状態です。
サチュレーションを入れてないボーカルは生っぽくて貧弱に聞こえます。
さらに、カラオケの音に負けないようにしようとして、ボーカルの音量を上げると、ボーカルだけやたら大きく感じます。
この時、カラオケとボーカルが馴染まない原因は、音量でも、コンプ感でも、EQでもなく、音の密度感です。
「少しボーカルが貧弱に聞こえるけど、音量としてはあってるんだよな~」という時、サチュレーションをボーカルに入れてあげるとうまくマッチする時があります。
最近流行りのボーカルでは、真空管のサチュレーションがきつめに入っていたりして、パリっとしてかっこよくなっているのとかありますよね。
◆おわり
何事も使い方次第ですが、例えばピアノ弾き語りやギター弾き語りの場合、生っぽいボーカルの方が合うこともあります。
逆にロックとか騒がしい楽曲の場合は、ボーカルを強くしてあげないとギターに負けてしまいます。
加減が少し難しいですが、うまく楽曲に合わせて使い分けて行けるといいですね。
次回はサチュレーションを仕上げに使ってみます。 お楽しみに。