あかりの作曲・mix日記

作曲・mix、制作中に気づいた大切なコト。制作裏話。

日本人は強弱がニガテ!?歌う言葉は日本語じゃない。

◆感情込めて歌ったはずが…

思ったよりも、うまく歌えてない。むしろ、感情込めないで気楽に歌ったほうがうまく聞こえるすらある。こんな経験ないでしょうか?

 

実は、日本語のある特徴が関係しています。

 

 ◆高低アクセント・強弱アクセント

さて、言語にはアクセントがあります。

ja.wikipedia.org

ざっくり説明すると、日本語は高低アクセントと言って、強調したい場所を高く発音します。より強調したい時は、さらに下げておいて、上げるという動作をします。

英語は強弱アクセントと言って、強調したい時は強く発音します。

この、もともとある言語の感覚が歌う時にも関わってくるのです。

 

◆感情を込めたのにうまく聞こえない理由

感情を込めて歌った時、つまりアクセント部を強調したい時、本来なら強弱でアクセントをつけるところを、日本語使用者は高低アクセントを使ってしまう事があります。

歌でも盛り上がるところはメロディが高くなっている事がもちろんありますが、盛り上げる時に"下げておいて思い切りしゃくりあげる"みたいな歌い方をしてしまいます。

この時に、ピッチが思い切りはずれます。

 

酔っぱらいのカラオケとかまさにそうですね☆

 

歌ってる本人は気持ちいいですが、端から聞いてると、ただただ音をはずしまくってるように聞こえてしまうのです。日本語を使ってる人は、ダイナミクス=強弱アクセントがニガテなのです。

  

◆言語による有利不利がある

英語はもともと強弱アクセントなので、いつものままメロディに乗って歌えば、自然に強弱アクセントによるダイナミクスが生まれるので、とても有利です。

さらに、ひとつの母音に、子音がたくさんついていたりして、ひとつの音符に込められる情報量が多いのです。

 

歌は基本的に、1音符1母音です。

 

日本で生まれた民謡などは、日本語で歌うことが前提で作られていますので、日本語の感覚のまま歌えばいいのですが、西洋で発祥した音楽系統を歌うことに関しては日本語はとても不利なのです。

 

日本の民謡を英語で歌うなんて??ってなりますよね?

英語圏の人からしたら、西洋音楽を日本語で歌う??ってなってるかも知れません。笑

 

◆歌う言葉は日本語であって日本語ではない

でもまって?日本語でも歌上手い人いるじゃない!?

 

 そうですね。めっちゃうまい人達はたくさんいます。

そんな人達の歌をよく聞いてみると、子音を大げさに発音してみたり、母音を抜かしたりして、歌う言葉が日本語っぽく無く、まるで英語のようなイメージになったりしています。

歌詞だって、一旦英語で歌詞を書いた後、英語の歌詞になぞるように日本語を当てはめていくという手法もあるくらいです。空耳じゃないですが。

 

日本語の壁を越えましょう☆

 

歌のレッスンとかでも、「口をおっきく開けて、しっかり発音しましょう!」なんて言ってますが、それを鵜呑みにして、真摯に日本語の感覚のまま歌っていても、歌はうまくなりません。

「口をおっきく開けて、しっかり発音しましょう!」の真意はこうです。

「口をおっきく開けて、日本語じゃ無くなるぐらい、しっかり発音しましょう!」です。

 

むしろ、日本語じゃなくなってください☆

 

歌う言葉は日本語であって日本語ではない。これをちょっと意識してみてください。

 今までより、スっと歌の世界に入れるようになると思いますよ。 

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