◆~コード誕生のお話~
音楽が誕生して間もない頃、メロディはひとつの旋律しかありませんでした。
とある作曲家はメロディをかっこよくしたいと思い、友達に聞きました。
「なぁ、このメロディにひとつずつ音を足してかっこよくするにはどうすればいいと思う?」
作曲家と友達は音をひとつずつ試しながら。考えました。すると、ぴたっとかっこよくハマる音が見つかりました。
「これ、よくね!!」
ひとつのメロディにもう一つ音を足して、ハーモニーができました。
しばらくして、作曲家はもっとかっこよくしたいと思って、再び友達を訪ねました。
「もう一個ずつくらい足せないかな?」
そうして、またまたひとつずつ音を試して考えました。すると、ぴたっとハマってかっこよくなる音が見つかりました。
「これ、よくね!!」
この、ひとつのメロディに2つ音をたす方法がかっこよいと噂になり、誰も彼もこの方法を使うようになりました。
すると、一人の作曲家がある法則に気が付きました。
「曲の最後の音の積み重ねは、キーになる音に3番目と5番目を足した音が使われる事が多い。」
「さらに、そのひとつ前は、キーの音の2番めと5番目と7番目の音が使われてる事が多い。」
ひょっとしたら、その他の小節でもそういう法則があるのではないか。
そうして、彼はその時のヒットソングを調べまくりました。
すると、音の積み重ねに法則性があることにたどりつきました。作曲家はその音の"積み重ね"をひとつの記号で表せないか考えました。
「C」は「ド」の音を表す。だけど、Cキーの楽曲には「ドミソ」の積み重ねがたくさん出てくるから、「ドミソ」の積み重ねも基準になる音の「C」から辿れるように「C」と書いておこう。
じゃあ「ソシレ」も「G」にしよう。こうやって楽譜に書いておけば、ハーモニーの音をひとつずつ書かなくても良くね?
そうして、たった一文字で、音の積み重ねを表すことができるコードが誕生したのでした。
おわり。
…ません。この話にはまだちょっと続きがあります。
ヒットソングを調べまくっていた作曲家は、コードを使う順番にも法則性があることに気が付きました。なぜかこの順番でコードを使うと、"とてもいい感じ"に曲がまとまるのです。これをコード進行と呼ぶことにしました。
こうして、コードとコード進行の理論が完成しました。そして、偉人たちのおかげで私達は楽曲制作が楽ちんになりました。
おわり。
うそです。ぜんぶ、作り話です。
おわり。